壷中在宙「鉄絵銅彩 神谷 紀雄 陶展」

「字を書く様に 絵を描きたい」

「鉄絵銅彩」の技法を熟練させ、自然の植物文様を精巧に表現する陶芸家、神谷紀雄。
故郷益子の鉄分の多い粘土を使用し、自然の美しさや植物の特徴を丹念に観察し、秋海棠、葡萄、椿、柘榴など工房の身近な草花たちの姿を力強く優しく描く。
鉄絵による酸化鉄の文様と銅彩の還元焼成による彩色が見事に融合し、独自の質感と彩りを生み出し、存在感は観る者を魅了する。素朴かつ温かみに溢れ、技術的な巧緻さと芸術性は高く評価され、2008年には千葉県指定無形文化財保持者に認定されている。
緑ヶ丘美術館待望の陶芸界の重鎮、神谷紀雄の作品を是非ご高覧ください。

  • images鉄絵銅彩秋海棠文花器Φ41.3 × H14.2cm
    制作年代:80 歳代
  • images鉄絵銅彩椿文大鉢Φ55.0 × H10.0cm
    制作年代:50 歳代
  • images鉄絵銅彩秋海棠文大鉢Φ52.0 × H11.0cm
    制作年代:70 歳代
  • images鉄絵銅彩葡萄文陶匣W27.0 × H14.0 × D27.0cm
    制作年代:70 歳代
  • images鉄絵銅彩葡萄文壷Φ34.5 × H36.5cm
    制作年代:70 歳代
  • images鉄絵銅彩秋海棠文壷Φ27.0 × H34.0cm
    制作年代:80 歳代
  • images鉄絵銅彩秋海棠文鉢Φ40.0 × H23.0cm
    制作年代:70 歳代

芸術の原風景と出会う神谷紀雄 陶展壷中在宙(こちゅうざいちゅう)」によせて

益子伝統の土を活かす「鉄絵銅彩」

この度の緑ヶ丘美術館、夏の展覧会は、栃木県益子焼の血統を継ぐ陶芸家・神谷紀雄先生の作品展を開催いたします。
神谷先生は現在、千葉市に窯を構えておられますが、昭和15年に栃木県益子でお生まれになった益子焼の窯元の四代目です。神谷家は江戸時代末期に益子焼の創業と同時期に窯業を始めました。後に、三代目である父が横浜の港北区に窯を開き、神谷先生は父の勧めで多摩美術大学に進学し、陶芸の世界に入られました。美大では彫刻を学び、卒業後の昭和39年、24歳の時に千葉市東寺山の緑豊かな山林に窯を開き、それ以来、故郷・益子の土を使って皿や鉢、花器などを作り続けています。創作の転機は、第7回日本伝統工芸展を観たことでした。

神谷先生の作品の特徴は、親しみやすい鷹揚なスタイルとされていますが、「鉄絵」と「銅彩」の二つの技法を同時に用いた「鉄絵銅彩」の技法を確立されました。この技法名を冠した作品が、昭和61年の第26回伝統工芸新作展で奨励賞を受賞。現代的な感覚による表現が評価され、自身の表現として確立されてきました。平成15年には第50回日本伝統工芸展の「鉄絵秋海棠文長皿」で第50回展記念賞を受賞し高い評価を得ています。平成20年には、千葉県指定無形文化財保持者に認定されました。

また神谷先生は、平成17年に千葉県の陶芸家グループ「陶葉会」を発足させ、毎年公募展では受賞者を輩出しています。平成24年には文化庁から地域文化功労者として表彰されました。千葉県美術会の会長でもあり、鉄絵銅彩の作家としてだけでなく、後進の指導や育成にも積極的に取り組まれている優れた指導者です。

緑ヶ丘美術館待望の神谷紀雄先生の作品を、どうぞ存分にご鑑賞くださいませ。

緑ヶ丘美術館 館⻑ 菅野⼀夫

ショッピング案内shopping

緑ヶ丘美術館でのみの限定販売となります

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<数量限定>一筆箋 30枚綴り 2種
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各 500円


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<数量限定>レターセット 封筒3枚・便箋10枚組 3種
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各 1,000円