緑ヶ丘美術館・本館
緑ヶ丘美術館・別館
漆黒の闇の黒だからこそ、光の白が蛍光を放つ。
時を経て受け継がれてきた日本の美を極め、
「漆」に心象風景を刻む岸本圭司。
アルミを金胎として、新しい命を吹き込む。
塗る、描く、削る、埋める、貼る、盛り上げる、磨く・・・・。
螺鈿蒔絵の精緻な作業と技が独特の美を生み出す。
映し出された漆には
洗練された宇宙への畏敬がこもる。
本展は、奈良漆芸の伝承者・岸本圭司の
超絶の美意識と感性を
心ゆくまでご堪能していただけます。
金胎螺鈿蒔絵漆箱「冬の風の音」
第65回日本伝統工芸展入選作品
この度、緑ヶ丘美術館では、古都・奈良に伝わった螺鈿漆芸を今に受け継ぎ、伝統を超えた現代的な作風にも
挑戦する漆芸家・岸本圭司氏の作品展を開催いたします。
奈良は古くには平城京があり、正倉院で知られるように多くの宝物が集まりました。漆芸もまたその一つです。
この歴史ある奈良の地で、伝統ある奈良漆芸を継承しているのが岸本圭司氏です。
緑ヶ丘美術館では、地元奈良の文化伝承の一助になればと〈まほろば漆〉をテーマに本企画を立てました。
日本の伝統工芸の中でも漆芸は日本の美として高く評価されています。
ぜひこの機会に今に伝わる奈良漆芸の世界をお楽しみください。
緑ヶ丘美術館 館長 菅野一夫