緑ヶ丘美術館コレクション「色彩と模様のハーモニー」色絵磁器 前田正博 展

鮮やかな色彩と模様が織りなす
豊かな色絵磁器の世界

「明るく 楽しく 美しく」は前田正博の作陶における哲学である。
その言葉の通り、彼の生み出す色絵磁器は、華やぎと驚き、独創に満ちている。
印象的なのは、鮮やかな色彩と柔らかさを感じさせる質感だ。これは、伝統的な有田や九谷などの色絵とは異なり、洋絵の具を用いて描き上げるからこそ実現する。
釉薬をかけて焼成した磁肌にマスキングを施して色を置き、重ねる色の数だけ焼成を繰り返すという独自の手法が、多重奏のようにその色彩を響き合わせるのだ。
今回の展覧会では、往年の名品から近年の作品までを網羅した。鳥やサボテン、ヤシなどを親しみやすいタッチで描いたもの。赤や⻘、黒をベースに色数を絞り、抽象的な幾何学模様を施したもの。時を経て変化を重ねつつも、明るく楽しく美しく、見る人の目と心に彩りを与え続けるその魅力を実感できる展示となっている。
前田正博が織りなす比類なき色彩と模様のハーモニーを、どうぞご高覧ください。

  • images色絵銀彩鉢2020年 H21.5×Φ31.0cm
  • images色絵洋彩鉢 2020年 H17.8×Φ41.0cm
  • images色絵洋彩花入2019年 H23.7×Φ17.5cm
  • images色絵銀彩蓋物2022年 H11.8×Φ26.2cm
  • images色絵金銀彩輪花鉢1992年頃 H10.0×Φ44.7cm
  • images色絵金銀彩長角皿1988年頃 H3.8×W53.4×D32.6cm
  • images色絵金銀彩鉢1988年頃 H17.0×Φ34.8cm
  • images色絵金銀彩輪花鉢1993年 H15.0×W40.5×D45.5cm

芸術の原風景と出会う前田正博展
色彩と模様のハーモニー

抽象絵画のような色絵やスタイリッシュな幾何学模様。「明るく 楽しく 美しく」をモットーに、前田正博先生は、見る人の心が弾むような色絵磁器を生み出し続けておられます。端正な造形美と自由でモダンなデザイン。目利きの玄人はもちろん、普段伝統工芸に親しんでいるわけではない人が見てもグイグイと惹きつけられる、問答無用の引力と魅力にあふれています。

鮮やかな色彩と柔らかさを感じさせる独特の質感は、洋絵の具で彩色を行うという独自の手法で生み出されたもの。釉薬をかけて焼成した器にマスキングを施して絵をしたため、カッターで切り抜く。切り抜いた模様に洋絵の具で彩色し、焼成。それを色の数だけ何度も繰り返すことで、他に類を見ない、独創的な作品が出来上がるのです。

軽妙なタッチで抽象画風に描かれる鳥やフクロウ、サボテンやヤシ。愛らしく親しみやすいそれらのモチーフは、端正な器を塗り分ける大胆な色彩により、洒脱な色絵磁器となっていきます。また、近年の作品では用いる色数をぐっと絞り、市松模様や格子模様をはじめとする抽象的な幾何学模様を施しています。具象を離れることでかえって万人の心に入り込みやすくなったその造形と色彩の面白さ、美しさは、流石としか形容のしようがありません。

作陶歴が50年を超えてなお、見る人の心にダイレクトに働きかけることを大切に、自らも、見る人も楽しめる作品を生み出し続ける前田先生。その素晴らしい色絵磁器の世界をぜひ、ご堪能ください。

緑ヶ丘美術館 館⻑ 菅野⼀夫

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