緑ヶ丘美術館・本館
緑ヶ丘美術館・別館
710年に日本の本格的な首都・平城京が誕生してから1300年。その昔、大陸からは仏教とともに文化、技術が伝来、遣隋使、遣唐使を経て、古都奈良の歴史は日本の風土風習を形作り、その文化は今も連綿と続いている。
万葉の時代、大和まほろばの国は異文化を吸収し、目を見張る輝きを見せたのであろう。渡来した民の残した功績は今も受け継がれ、時代とともに姿を変化させ<まほろば陶>として奈良に息づく。
《万葉の里・麗しの陶》奈良・四人展は、奈良在住の陶芸作家の共演です。それぞれに異なる技法、感性で表現された陶の景色をお楽しみください。
緑ヶ丘美術館・別館、秋の展覧会です。
練上作陶家 / 日本工芸会正会員(奈良・北葛城)
練上技法に独自の技を編み出し、突如、工芸界に出現した陶芸家。
幾重にも貼り重ねられた粘土が絶妙な色のグラデーションを放つ。
作家秘伝の練上は、やがて“まほろば ” の風景を映し出す。
〈練上大輪華〉
染付作家 / 日本工芸会正会員(奈良・天理)
呉須を含んだ太い筆から生まれる清楚な染付作品。様々な鉱物を調合しオリジナルな青色を作り出し、濃淡で立体感を出す。研究を重ね<染付彫>を開発。心を澄みわたらせる伝統の色が顔を出す。
〈染付彫鉢 紫陽花〉
青瓷作家 / 日本工芸会正会員(奈良・天理)
回転体のろくろ成形から生まれる四角や花弁形。磁土は、精巧な技によって薄く削り込まれ、繊細な青瓷の肌を纏う。おびただしい回数の施釉と磨き。青白瓷に透明感のある景色が浮かび上がる。
〈青瓷白暈し四角鉢〉
陶芸家 / 日本工芸会正会員(奈良・王寺)
松、樫、杉、葡萄など、独自の植物灰の釉薬を研究。自然の灰から生まれる柔らかな表情の焼き色を生み出した。施釉の植物灰は高温でガラス質に変異する。陶土に馴染む灰釉の進化はこれからも続いていく。
〈灰秞鉢「跳」〉