緑ヶ丘美術館・本館
緑ヶ丘美術館・別館
先人から脈々と受け継がれてきた普遍的な技法と、作家の研ぎ澄まされた独創性が出会ったとき、茶器に新たな生命力が宿る。
茶の湯文化が花開いた室町時代以来数百年、幾万もの作家との邂逅を繰り返しながら、客人をもてなす席主の思いに呼応しながら、用の美を昇華させてきた茶器。
今展では、伝統の技と名匠の美意識が渾然となってのみ生まれ得る一期一会の結晶、棗を中心とした至高の茶器を一堂に集めました。輪島塗、山中塗、そして蒔絵、沈金、螺鈿、乾漆、平文、卵殻、蒟醤…。
こうした古来よりの技術を極め、さらに独自の技術へと発展させた日本最高峰の作家たちが生み出した、百花繚乱の佇まいをご堪能ください。
「薄茶入蒔絵彫もの文字あらば順逆覚えあつかふと知れ」利休百首の一首にその作法が記されているように、薄茶器を茶の湯に定着させたのはやはり千利休でした。
その後、織部、遠州ら武家の茶道の時代を経て、茶器も時代ごとに変遷。用の美を進化させてきました。
姿は多様に広がれど、無論、茶器が席主の思いを体現するものであることは、今も変わりありません。
そこがたとえ茶の席でなくとも、私たちが茶器の名作と対峙するとき、ただ美しいというだけに留まらない強い感情が湧き起こります。
いわゆる美術品とはまた異なる感銘を受けるのは、その茶器の奥にある作者の温かいまなざしを鮮明に感じとれるからではないでしょうか。
茶器の真の価値は、人間に例えると内面のような部分にあるのかも知れません。
今回ご高覧いただく棗を中心とした茶器たちから、名匠の技の凄みはもちろん、その小さき宇宙に凝縮された慈しみの心を覚えていただければ幸甚です。
緑ヶ丘美術館 館⻑ 菅野⼀夫
緑ヶ丘美術館でのみの限定販売となります
<数量限定>一筆箋 30枚綴り 2種
販売価格
各 500円
<数量限定>レターセット 封筒3枚・便箋10枚組 3種
販売価格
各 1,000円