「伝え流るる瑠璃の輝き」新倉晴比古 ガラス展

多彩な技法でつくりあげる
現代的かつ独創的な和のガラス

まるで寄木細工のような『木精の器』。やかんをモチーフにデザインされた大胆かつ色鮮やかな大型オブジェ『ケトル』。
古代における氷の貯蔵庫の名を冠した涼やかな器『氷室』・・・・・・。
新倉晴比古の生み出す作品は、斬新さの中にどこか馴染みのある和のエッセンスを内包する「現代的な和のガラス」だ。
遥か昔、⻄方からシルクロードを経て奈良へと運ばれてきたガラス工芸を、地場の、日本の工芸として根付かせたいという作家本人の思い。
伝え流るる瑠璃の輝きは新たなるエッセンスを加えられ、拠点を置く奈良とも親和性の高い、独創的な美の形に結晶していく。
思い描くイメージは、実に多彩な技術・技法によって着実に立体化される。
ある時はキルンワーク、ある時は吹きガラスというように、異なる技法を組み合わせ、不可能と思われるような造形も形にしていくのだ。
作家の熱意と創意工夫が生んだガラスの造形美を、ぜひご覧ください。

  • images「木精の器」水玉 2024年
    H6.3×Φ42.5cm
  • images「木精の器」寄木大皿2010年
    H9.0×Φ53.0cm
  • images「retro modern」レトロモダン2019年
    左:H40.0×W27.0×D15.0cm
    右:H28.0×W55.0×D15.0cm
  • images「珊瑚」大鉢2024年
    H12.0×Φ39.0cm
  • images「碧」花生け2018年
    H14.5×W34.0×D33.0cm
  • images「蕾」2015年
    H83.0×W30.0×D30.0cm
    ’15日本のガラス展 JGAA賞 受賞作品
  • images「氷室」花生け2009年
    左:H23.0×W31.0×D15.0cm
    右:H34.4×W13.2×D18.7cm

芸術の原風景と出会う「伝え流るる瑠璃の輝き」
新倉晴比古 ガラス展

アートとして、実用品として、多くの人に愛されているガラス。その歴史は非常に古く、紀元前のオリエント文明まで遡るといわれています。
当時の最先端技術を注ぎ込んで生み出された美しいガラス工芸品は、遥か⻄方からシルクロードを経て運ばれ、奈良へと辿り着きました。その奈良の地で現代のガラス工芸をリードし続けているのが新倉晴比古先生です。
新倉先生は、日本におけるガラス工芸、ガラス装飾美術の存在感を拡大し、確固たる工芸美術としての地位を築こうと日々奮闘しておられます。産業芸術とファインアート(純粋芸術)の間を縦横無尽に泳ぎながら生み出される規格外の作品。その技術の多彩さとスケールの大きさは他の追随を許しません。
キルンワーク、吹きガラス、サンドブラスト・・・・・・。あらゆる技術を時に組み合わせ、時に変化させながら、頭の中で思い描く姿を着実にアウトプットする手腕は実に鮮やかです。寄木の木工作品のようにも見える和テイストの『木精の器』。オリエンタルな情緒を含む小粋な壺。「やかん」という馴染みのある題材でありながら、全く新しい生命を吹き込まれた色鮮やかなオブジェ『ケトル』。それらは時に巨大な作品となり、時に個性的な器となり、まるで生きもののように自在に変化します。一見不可能のように思える造形や前例のないものを形にしてみせる柔軟な発想力とバイタリティは、「ガラス工芸の世界にこの人あり」と称される新倉先生ならではでしょう。
そして、居並ぶ作品にどこか懐かしさを感じてしまうのは、⻑いガラスの歴史とそれを受け止めた日本、奈良の地の文化が融合することによるマジックなのかもしれません。
伝え流るる歴史の深さと時代の要請に応える斬新さ。それを透明な輝きの中に映し込んで魅せる新倉晴比古の世界を、ぜひご堪能ください。

キルンワーク/キルン(窯。ガス炉や電気炉など)を用いてガラスを変形させる技法。
吹きガラス/吹き竿に溶かしたガラスを巻き付け、息を吹き込んでガラスを成形する技法。
サンドブラスト/ガラスに砂(研磨剤)を吹きかけて、すりガラス状の模様を描く技法。

緑ヶ丘美術館 館⻑ 菅野⼀夫

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<数量限定>一筆箋 30枚綴り 2種
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