緑ヶ丘美術館・本館
緑ヶ丘美術館・別館
⾍⾷いー 散り際ー 草花が朽ちてゆく儚さを、たおやかに描きだす。九⾕焼の次代を担う陶芸家・柴田有希佳の真髄は、写⽣。四季の盛りを過ぎた植物たちの「生」をありのままに写し、スケッチから磁器へ、五彩を基調とした中間⾊で描く。九⾕焼らしい鮮やかな⾊絵の世界とは異なる、儚いがゆえに、いのちの温もりまで伝わる写実の⾊彩。その姿を、柴田独自の麗しい余⽩が浮かび上がらせる。師である⼭⽥義明⽒から受け継ぐ九⾕の技と、⾃然へのまなざし。そこに映るのは、彼⼥⾃⾝の「生」であり、植物を描くことは⾃らを描き、⽣き⽅を教わること。若き陶芸家の「生」を宿した⾊絵を慈しむ作陶展、ぜひお楽しみください。
緑ヶ丘美術館本館、春の展覧会は九谷色絵磁器の柴田有希佳「私的歳時記」展を開催いたします。
柴田有希佳先生は、石川県無形文化財保持者の九谷色絵作家・山田義明先生のお弟子さんで山田先生の写実と余白の色絵に恋焦がれ、14年前にその門を叩いたと聞いています。能美市の石川県立九谷焼技術研修所 研究科で学び、その実力は山田先生曰く、「投手と打者の二刀流で日本野球界から大リーグにいった大谷翔平やな(笑)」と。柴田先生も自ら素地を成形し、上絵を描く。今までの分業制の九谷焼から現在の九谷を学び、描きたい上絵の絵柄に合わせた素地の形を求めているのでしょう。
絵柄は木草花・魚が主体で、九谷の自然を豊かな写実的表現力と余白で描き、作家の持つ精神性が表れた作品作りを目指されているようです。
春の桜・夏の朝顔・秋の紅葉・冬の椿と私たちには馴染みの絵柄によって、日本人の持つ「あわれ」「わびしさ」「はかなさ」といった一瞬の美しさを映し込んだ作品は、高い評価と人気を博し、注目を集めています。
九谷の伝統工芸に根ざした上絵技法に新たな感性の表現方法をプラスした作品の数々を、ぜひご覧いただきたいと思います。
今後の九谷焼を担っていく一人になられることは間違いないと思っています。
柴田有希佳先生の世界観をお楽しみください。
令和4年4月 緑ヶ丘美術館 館長 菅野一夫
ここでしか手に入らない緑ヶ丘美術館でのみの限定販売となります
一筆箋 20枚綴り 4種
販売価格
各 300円
一筆箋 4種セット
販売価格
1,000円