時を経て受け継がれてきた日本の美の最高峰「漆」(うるし)。
塗る、描く、削る、埋める、貼る、盛り上げる、磨く・・・など、幾重もの作業と技が絢爛の美を生み出す。
これほどまでに洗練された美術工芸品があるだろうか。
本展は、作家ごとに異なる超絶の美意識と感性を心ゆくまでご堪能していただけます。江戸期から現代まで、用の美を展覧いたします。
時を経て受け継がれてきた日本の美の最高峰「漆」(うるし)。
塗る、描く、削る、埋める、貼る、盛り上げる、磨く・・・など、幾重もの作業と技が絢爛の美を生み出す。
これほどまでに洗練された美術工芸品があるだろうか。
本展は、作家ごとに異なる超絶の美意識と感性を心ゆくまでご堪能していただけます。江戸期から現代まで、用の美を展覧いたします。
緑ヶ丘美術館 オーナー・館長 菅野 一夫
スタッフ一同
世界最古の漆は、はるか昔、縄文時代からとされています。約12600年前から使っていた漆。
土器や椀、弓や武具、櫛や腕輪など、用途は多岐にわたっています。
以来、時を経て、日本人は日常から祭祀まで、高級な美術品へと独特な感性と技法で漆製品を進化させてきました。
漆のその強靭な素性、解き放つ光沢は、機能性と美意識を満たすに余りあります。
何度も塗り重ねられ磨き尽くされて放つ艶。
金や銀、虹色に光る貝を組み合わせた蒔絵、螺鈿。漆黒の艶と華やかな朱色、そして金色の煌めき。
神々しいその存在は、日本人に特別な彩りを与えてきました。
この展覧会では、江戸期から現代までの漆器を個性の異なる漆作家ごとにご紹介します。
それぞれの作家の想いを読みとってみてください。
菅野一夫 緑ヶ丘美術館オーナー
緑ヶ丘美術館の2019年は、新春企画「日本の<漆>展-Ⅱ」から始まります。
昨年に引き続き、緑ヶ丘美術館が所蔵する漆芸作品の傑作、日本の美の最高峰<漆>を展覧いたします。
テーマは、「漆作家が競う贅の美。洗練された和のデザイン」。この度は、伝統からモダンまで、江戸期から現代までの漆器を個性豊かな名工、作家ごとに紹介いたします。
江戸から明治時代に活躍した蒔絵師では、京漆器の代表作家・長野横笛、輪島塗名人の一后一兆、そして輪島塗に新風を吹き込んだ巨匠・井波喜六斎。
大正期では加賀蒔絵の名工・大垣昌訓らの名作が揃います。
昭和期にはモダンさと品格を表現した竹園自耕、小松芳光らの丹念な彩漆が見どころです。
沈金師では、明治から昭和に活躍し斬新な意匠を追求した輪島塗沈金師の前大峰、三谷吾一ら「和のデザイン」を開拓した作家の艶やかな作品が目を引きます。
もちろん作者不詳のまま時を経て受け継がれてきた絢爛豪華な漆器の名品も見逃せません。
高蒔絵に煌めく螺鈿の貝、金彩の光に触れると心揺さぶられることでしょう。
じっくりと芸術の魅力、本物を味わう喜びを感じていただければ幸甚です。
日本の漆器は、「日本の美の最高峰」と称されるほど美しく、その技と表現されたデザインは世界でも類い稀な芸術品です。しかし、室町や江戸時代の古い作品には銘書や墨書を行うことは極めて稀で、多くは作家の詳細が不明です。
おそらく最終絵付けまであまりにも多くの工程があり、各専門職人が共同制作するため、蒔絵師や沈金師だけの作品とは言い切れない木地師や塗師への配慮があったのかもしれません。
漆器が<用の美>と称され民芸と意識されるまでは職人の世界で名を残すことはなかったのでしょう。作者不詳にロマンを馳せてみると新しい美の発見があるかもしれません。
近年の作品には墨書があるので作品理解の助けになります。ハレに相応しい吉兆図や文様、当時の風俗や名所図など、技法だけでなく絵柄に込めた作者の想いを読み解くのも、それぞれに意味深く楽しいひと時です。
それぞれの作家が創作にあたって、その時、何を考え、何のためにその作品を制作したのか。ぜひ想像してみてください。
緑ヶ丘美術館では、作品との触れ合いだけでなく、名工の素顔を知っていただくために映像を制作・上映しております。
この度は<漆作家が競う『贅の美』>を制作。作家ごとの紹介と作品の「ここが凄い!」を
クローズアップしました。
肉眼では分かりづらい細部の表現や技も映像でご覧いただけます。今まで気付かなかった漆の魅力、作家の想いに出逢うはずです。
ここでしか手に入らない緑ヶ丘美術館でのみの限定販売となります
販売価格1冊 2,000円
販売価格1冊 300円
緑ヶ丘美術館が所蔵の作家によるお茶碗で、
お菓子とともに「お抹茶セット」をお楽しみいただけます。
受付にお申し出下さい。(一日20名様限定)
一服500円