九谷色絵
<瑞宝単光章 受章記念>山田義明 作陶展

2020927日(日)〜1220日(日)まで

緑ヶ丘美術館・別館

この度の緑ヶ丘美術館・本館の【九谷色絵磁器 三代 浅蔵五十吉 展】と
緑ヶ丘美術館・別館の【九谷色絵 山田義明 作陶展】は
12月20日(日)をもって終了いたしました。
今回の展覧会も、新型コロナウイルス感染拡大防止を最優先としまして、
入館時の体温計測や、ご連絡先確認のための入館カード記入など、ご来館者の皆様には
感染防止にご協力いただきありがとうございました。
お蔭さまをもちまして、ご来館者様及び当美術館スタッフにおきましては未だ感染者の発生も
報告されておらず、無事に今回の展覧会が終えられましたことを嬉しく思っております。
12月21日(月)~1月5日(火)までは次回作品展準備のため休館とさせていただきます。

新年は1月6日(水)から【継がれる「用」の伝統美 日本の<漆>展-Ⅳ】を緑ヶ丘美術館・本館で、
また、【緑ヶ丘美術館コレクション 香炉香合展】を緑ヶ丘美術館・別館で開催いたします。
ご来館者の皆様には引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止にご協力いただきまして、
次回の展覧会でもお目に掛かれることを楽しみにしております。

緑ヶ丘美術館・本館
緑ヶ丘美術館・別館

日本の四季を作陶に留める
九谷芸術の真髄

白磁に日本の四季を写し、鳥や草花の生命を描き留める
つつましやかに生きる自然の命を繊細に、可憐に、
美しく描かれた作品には気品と威厳が融和する
九谷色絵の第一人者、山田義明の作陶を是非ご高覧ください

  • images黄蜀葵図台付長角皿
  • images菜ノ花図大鉢
  • images山葡萄図面取壺
  • images小紋に四季花鳥図八角皿
  • images酔芙蓉図八角皿

九谷色絵 <瑞宝単光章 受章記念>山田義明 作陶展「威風堂々」

あれはいつだっただろうか。25年以上前の様に記憶しているが…。石川県能美市にある九谷陶芸村をゴールデンウィークに訪れた時に、九谷焼茶碗まつりが行われていた。広い展示場の一角にオークション会場があり、名だたる作家さん達が作品一品をチャリティー出品しておられた。小紋に四君子の角香炉が目に留まり、遊び感覚で入札してみた。後日、協同組合の方から「貴方がゲットしました」と連絡がきた。それが山田義明作の香炉であった。当時、北出塔次郎作品や三代 德田八十吉作品ぐらいしか知らなかった私には、鳥や草花を写実的に描かれる山田義明作品は新鮮であった。描き方や多様な色遣い、小紋の色彩に自然と目が奪われた。

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その後も山田作品をいくつか集めた。作品を見ていると心が落ち着き、思わず笑顔が出てくるのである。伝統とか技術的な事はわからなかったが、そこに花が咲き、鳥が木に留まる姿は、正しく写実であり、今まさに失いたくない大事な大切な事の様に感じるのである。
緑ヶ丘美術館では、前回2018年4月から "「沖縄彩景」山田義明九谷色絵磁器展" を開催した。先生の古希を祝い、九谷(石川県能美市)を飛び出し、沖縄にスケッチブックを持って、沖縄原色の草花を作品にしてもらった。ハイビスカスも、レッドジンジャーもすばらしい色彩が新たな山田義明を表現できたと思っている。

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令和の時代が訪れて、今私達はどの様に新しい時代を生きなければいけないのか。そんな事を思った時に、奇をてらうのではなく、ゆっくりでもいいから、一歩ずつ困難を乗り越えていく事が大事であり、守りたいものを見誤らない事が重要である様に思えた。
今回の山田作品は、タイトルにした正に「威風堂々」に相応しい、九谷色絵磁器の原理原則を守り、特徴とも言える独特の多彩な色遣いで、草花や鳥を表現した作品である。令和の新作を何とぞご高覧いただき、片時の楽しい時間をおすごし下さい。

緑ヶ丘美術館・館長 菅野一夫